近年、Webマーケティングを語る上でSNSは切っても切り離せない存在になりつつあります。SNSは無料で発信可能なことに加えて、他の広告媒体ではリーチできないユーザーに対してアプローチが可能ということもあり、企業・個人問わず各SNSでの影響力獲得が必須スキルとなっています。
しかし相乗効果がある一方、Webマーケティング担当者であってもSNSによる効果をSEOまで落とし込み、活用しきれていないケースがほとんどです。そこで今回は、SNSとSEOの関係性・効果について解説していきます。
SNSはSEO(Google)にどのような影響を与えるのか?
まずSEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)とは、検索エンジン(主にGoogle)においてキーワードを検索した際に検索結果に上位表示させることです。上位表示させるためにサイト内のコンテンツ・キーワードの最適化に加えて、運営元の信頼性・権威性などさまざまな要素を組み合わせたロジックを理解した上での施策が必要となります。
Googleが求めているロジックに沿うことはもちろんのこと、ユーザーの検索結果に合わせた問題解決を手伝うためのコンテンツの質が必要となります。
では、Google検索エンジン外部であるSNSでのアクション(被リンク・投稿・いいね・コメント・フォロー等)はSEOにどのように影響を与えているのでしょうか?
結論からお伝えすると、SNSでのアクションは、SEOに直接的な影響を与えていません。つまり、SNSを上手く活用していてもSEOに効果が出て上位検索につながるといったようなことは、直接的には発生しません。
SNSマーケティングを伸ばすためには、なぜここまで普及しているSNSが直接的にSEOに影響を与えていないのかという背景と、どのような方法であれば影響を与えるのかを理解する必要があります。
SNSとGoogle検索エンジンの関係性
SNSからの被リンクにはnofollowが付与されるため、シェアされても被リンクは無効になる等、SNSが基本的にSEOに対して直接の影響は無いと、Googleのスポークスマンであるジョン・ミューラー言及しています。
しかし、体感としてSNSのフォロワーが多い企業や個人の方の方がサイトのPVが多いと感じている人も多いのでは無いでしょうか。
[chat face=”b3a3a30c86809f5ce5621989a3960cc2-1.png” name=”” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]全く影響が無いわけなくない?[/chat]
以下では、SNSがSEOに直接的に影響を及ぼさない理由や、間接的な影響値について詳しく解説していきます。
SNSがSEOに及ぼす直接的な影響
度々にはなりますが、結論としてSNSはSEO対策に直接影響がないとGoogleより明示されています。
GoogleのSEOの仕組みとして、上位検索される要素の一つに「被リンク」が張られているサイトの質と数が挙げられます。質(クオリティ)の高い外部サイトにてリンクが張られているサイトは価値が高いと評価され、その数が多ければ多いほど、上位検索に表示されやすくなるというものです。
上記から、SNSの被リンクが多くなればなるほどSEO対策になる思われがちですが、SNSではどれだけ投稿・いいね・コメント・被リンクがされても、InstagramやTwitterなどのSNSのリンクには検索エンジンへの評価の連携を無効化するタグ(nofollow)が埋め込まれているからです。
※SNSは利用者が多く、また不正に使用されてしまうリスクがある為、検索順位を操作する目的で使用されない様に、nofollowが設置されています。
よってGoogle検索エンジン側は、SNSでどれだけ投稿されたりいいねを獲得したりしても、一切情報を把握できないため、被リンクの数を把握できずSNSで被リンクが増えたとしてもSEO対策にはつながらないのです。
SNSがSEOに及ぼす間接的な影響
SNSでの被リンク増加につながる施策(投稿・いいね等)は、直接的なSEO効果にはつながりませんが、間接的なSEO効果にはつながります。
あくまで検索エンジンがSNS上にあるリンク量を測定しないだけで、SNS内では実際に拡散されユーザーの目に止まり、確実にリーチできています。
リーチから投稿内のリンクがクリックされることで、サイトへのアクセス数は増加します。そうすることで、直接的なSEO対策にはならなくても、SNSで拡散されることで、最終的には上位検索につながる要素を満たすことが可能なのです。
「結局バズったり拡散力のあるオモロコンテンツがSEO対策になる」という簡単なお仕事、アットホームなSNSになりますが、ここを攻略することで検索エンジンのロジックに関係なく、SNSを活用したWebマーケティングを大きく活用することができます。
また、SNSを通して「サイテーション」を獲得することも重要です。
サイテーションとは、インターネット上で企業名やサイト名、個人名、サービス・商品名といった名詞が第三者のサイトにて引用や言及されることを指します。サイテーションが高いということがつまり、良質なページである認識され結果的にSEO対策につながります。
名詞の引用は、被リンクよりハードルが低く、SEO対策をしていなくても、拡散され有名にさえなってしまえば、知名度から外部サイトで多く引用・言及され上位表示されていることが可能になります。
SNSでサイテーションを生み出す流れ
SNSの投稿からどのようにサイテーションを生み出すかというと、簡単に説明すると、「SNSの特性を理解してバズれば優勝」です。
バズを生み出すことで、多くの人の目に触れてSNS以外の外部サイトやブログでシェアされ、サイテーションが集まるだけでなく、被リンクも数も大幅に増えてSEO対策につながっていきます。
しかし、SEO対策のためにSNSを通してサイテーションを集める際には、大きな注意点があります。それは良質なイメージ(コンテンツ)で拡散されることです。
SNSは性質上、賛否両論を引き起こす投稿が拡散され話題性につながり、炎上が起こることが多々あります。炎上によってサイテーションが集まったとしても、それは良質であることから生まれたサイテーションではなく、マイナスのイメージに基づいて生まれているため、結果的にブランディングにマイナスな影響を与えてしまう場合があります。
そのため、SNSで投稿する上では拡散されることだけを重視するだけでなく、炎上を起こさないように運用・管理が必要になります。最近では、ユーザー心理をうまく活用したSNS運用を進める企業も多く見られるため、徹底的な競合分析をした上での運用を行うことがカギとなります。
SEOに効果をもたらすSNSごとの活用方法について
SEOに直接的な効果が無いと説明してきたSNSですが、近年「SERPs(Search Engine Result Pages)検索エンジンの検索結果ページ」においてのSNS扱われ方が優遇されてきたりとGoogleにおけるソーシャルメディアの重要性は年々高まっています。
その中で具体的に各SNSがSEOに効果のある運用について解説していきます。
Twitterは各SNSと比較して大きく異なる点としては、SNSの中で最も拡散力が高いという点です。
フォロワーの少ない投稿であってもTwitterユーザーに投稿内容が刺されば、バズらせることが可能です。バズったタイミングに合わせたコンテンツ作成や誘導を目的に継続的に運用することでサイテーションが少しずつ集まり、結果的にSEO対策につながります。
Twitterでサイテーションを獲得する上での具体的なポイントは、タイムライン上でスルーされない投稿を続けることです。文章がメインの投稿となるため、商品・サービスに毎回触れて投稿するだけではなく、伸びているインフルエンサーや投稿の傾向を取り込むスキルは非常に高度なものが求められますが、トレンドを意識しながら投稿していくことがポイントです。
結論からお伝えすると、Instagramでの話題性の集め方は、非常に地道な作業が必要です。インフルエンサーと呼ばれる方々も、急にフォロワーが増えたわけではなく、数ヶ月~数年間通して確実にフォロワーを増やしてSNSで話題性を集められるアカウントを構築しています。
フィード投稿で影響力を獲得するためには良質なコンテンツ投稿、ハッシュタグの選定、メンションの活用を意識したユーザーに刺さる投稿が求められます。
また、直近Instagramではリール投稿でのショートムービーのエンゲージメント率が大幅に上昇しており、Instagramで時間をかけずにフォロワーを稼ぎたい場合リール投稿に力を入れることが得策になると思われます。
TikTok
TikTokはフォロワーがいなくてもレコメンドのアルゴリズムでユーザーにリーチができるという点では参入障壁が他SNSに比べて低いのが特徴になります。
しかしレコメンドに載るためには最初の100再生前後でユーザーにアクションを起こさせるような訴求力やインパクトのあるコンテンツである必要があり、参入者が増えてきた分、かなり魅力や技巧を凝らしたコンテンツでないと集客に繋がらない可能性が高いです。
オススメに表示される仕組みについては以下の図の通りとなりますが、おすすめに乗り続ける為に大事なことは高エンゲージ(質の高い動画)である事を機械に認識させることが重要です。
[box06 title=”TikTokが重要視するエンゲージメントにおける指標”]
- 視聴回数
- 視聴完了率
- 視聴時間
- コメント数
- 動画保存数
- 拡散数
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YouTube
YouTubeではVSEO(Video Search Engine Optimization)とも呼ばれており、Googleの検索エンジンほど細かいアルゴリズムではありませんが、今後対策が強化されている分野だと言われています。
この10年でYouTubeに投稿される動画数は爆発的に増加し、キーワードに対する検索表示結果への需要が高まっています。まだVSEOに取り組んでいるところは少なく、強化することで再生回数の増加、および自社サイトへの流入が見込めます。
VSEO対策としては、タイトル・説明文にユーザーのニーズがあるキーワード最適化した上で入れ込む、サムネイルのCTRを上げる対策になります。動画を視聴しているユーザーの属性を理解してニーズを解析した上でキーワードを最適化することで上位表示につながります。
また、動画をカテゴライズ化するタグの最適化も必要な対策です。動画視聴後の目的に合わせてタグを設置することで、より効果的な施策となります。
SNSとSEOの関係
以上述べたようにSEOとSNSの特性を理解することで相互作用を及ぼすことは可能です。結局簡単な話、ユーザーを満足させる良質なコンテンツを作成する必要があるということです。とりあえずそこだけ押さえて自分が伝えたい情報や面白いコンテンツを継続して発信することが最重要事項です。